シナリオ

陽人の戦い

191年 · 中国 中量

孫堅軍 — 董卓軍 · 10ターン · 駒 50

ブリーフィング

「惟孫堅小戇、頗能用人、當語諸將、使知忌之」 「孫堅だけは、愚直な男だが、よく人を用いる。諸将に言って、あれには用心させよ」――董卓、長史の劉艾に(『三国志』呉書孫破虜伝の注に引く『山陽公載記』) 28対22。駒は董卓軍のほうが多い。だが開幕に董卓軍が一度に動かせるのは、5駒だけである。 初平二年、董卓は陳郡太守の胡軫を大督護に、呂布を騎督にして、歩騎五千で陽人の孫堅を攻めさせた。胡軫は気が短く、「青綬を一人斬れば軍は整う」と言いふらして諸将に憎まれた。広成で宿るはずの軍を、呂布らは「陽人の賊はもう逃げた」と偽って夜通し進ませる。城の備えは固かった。兵が甲を解いて休んだ所へ、今度は「城から賊が出た」と叫ぶ者があり、全軍が甲を棄て鞍馬を失って十余里を走った。夜が明けて、賊はいないと分かる。武器を拾って戻ってくる。盤は、その朝六時から始まる。 【城の側 ── 孫堅軍】22駒。一度に動かせるのは8駒。陽人の北と西には一夜のうちに深くした塹があり、その辺を越えて攻められると守る側が2倍になる。南と東は開いている。董卓軍は盤の北西の道の上に、戻ってくる順に長く伸びている。先頭に都督の華雄。塹の中で受けるか、伸びた列の頭へ打って出るか。 【道の上の側 ── 董卓軍】28駒。枠は5で始まり、T4に2、T7に2が加わって9になる。本隊の駒は甲を棄てたぶん、戦闘力を一段低くしてある。呂布と并州の騎の五駒は待機部隊で、道の北の林から動かない。攻められるか隣へ来られれば起きるが、自分から動きはじめるのはT7から(T7 15%、以後15%ずつ)。数で勝る軍が、手を出せないまま朝を過ごす。 【点】勝敗は点差ひとつで決まる。点差=(自軍が支配する拠点の点数 − 敵軍が支配する拠点の点数)+(敵に与えた損害 − 自軍が受けた損害)。拠点は陽人30・梁への道10・汝水の渡し10(孫堅軍)、広成への道20(董卓軍)。孫堅軍から見た点差が勝利線(+28点)より上で終われば孫堅軍の勝ち、下なら董卓軍の勝ち。線から7点離れれば戦術的勝利、53点で作戦的勝利、106点で圧倒的勝利。7点に届かなければ引き分けである。 【駒の名】孫堅軍:Sun Jian=孫堅、Cheng Pu=程普、Zhu Zhi=朱治、Huang Gai=黄蓋、Han Dang=韓当、Zu Mao=祖茂(梁東で堅の赤い幘をかぶって囮になった)、Sun Ben=孫賁、Wu Jing=呉景。Changsha・Lingling・Guiyang=堅が兵を挙げた荊南三郡の兵、Yuzhou=豫州の兵、Nanyang=魯陽からの糧の道を守る兵。董卓軍:Hu Zhen=胡軫(大督護)、Hua Xiong=華雄(都督)、Lu Bu=呂布(騎督)、Bing Horse=并州の騎、Liangzhou=涼州の兵と騎、Qiang-Hu=羌胡の兵、Sili=洛陽で併せた兵。駒になっていない人:徐栄と李蒙(先に梁の東で堅を破った別の軍)、李傕(のちの和親の使者)、袁術(魯陽にいて糧を握る)。 【試せる判断】ひとつめ(孫堅軍)。枠は8。塹の中の兵を全部出せば城が空く。出さなければ、敵の枠が戻るT4、T7を待つことになる。朝のうちにどこまで叩くか。 ふたつめ(孫堅軍)。呂布の林へ近づけば、五駒が起きる。華雄の列だけを叩いて、林には触れないでいられるか。 みっつめ(董卓軍)。動かせる5駒を、前の華雄の支えに使うか、後ろの列を詰めるのに使うか。呂布は呼んでも来ない。 【結末】孫堅は打って出て大いに破り、都督の華雄らを梟首した。そのあと、ある者が袁術に「堅が洛陽を取れば制しきれない。狼を除いて虎を得るようなものだ」と吹き込み、糧が止まった。堅は夜、百余里を魯陽へ馳せ、地面に図を描いて説き、糧は出た。董卓は李傕を遣わして和親を求め、子弟を刺史や太守にしようと言った。堅は拒み、大谷へ進んで洛陽まで九十里に迫る。董卓は長安へ去り、堅は焼けた都に入って、暴かれた陵を塞いだ。 ほどなく、堅は襄陽の峴山で射られて死ぬ。三十七歳だった。   青綬を一人斬れば、と将は言った   賊はもう逃げた、と誰かが言った   城から出た、と誰かが叫んだ   十余里を走って、夜が明けた   用心させよ、と言われた男が   朝、門を開く 『三国志演義』では華雄を斬るのは関羽である。史書では孫堅の軍が斬った。胡軫の夜の失態(『英雄記』)と、堅が陽人で大いに破った戦い(本伝)の前後は史書の上で分かれている。盤は『資治通鑑』の叙述に従い、ひと朝の出来事として重ねた。陽人の位置、月日と時刻は推定である。 1ヘクス=500m、1ターン=1時間、1CS≒70名。T1=初平二年 06:00(夜が明けて董卓軍が戻ってくる)、T4=09:00(董卓軍の枠が戻りはじめる)、T7=12:00(呂布が確率で動きはじめる)、T10=15:00。

地図

周辺図(概略) 陽人 洛陽(董卓) 魯陽(袁術・孫堅の本営) 梁 広成 大谷関 汝水 嵩山 伏牛山 胡軫の歩騎五千
周辺図(概略)
戦場図(概略) 陽人(孫堅) 夜通し進み、陣も無い 「城中の賊、出で来る」 呂布の騎(動かず) 孫堅、打って出る 都督 華雄 → 広成・洛陽 → 魯陽(糧の道) → 梁 汝水
戦場図(概略)