シナリオ

博望坡の戦い

202年 · 中国 軽量

劉備軍 — 曹操軍 · 8ターン · 駒 42

ブリーフィング

「賊無故退、疑必有伏。南道狹窄、草木深、不可追也」 「賊は理由もなく退いた。伏兵がいるに違いない。南の道は狭く、草木が深い。追ってはならない」――李典、追おうとする夏侯惇に(『三国志』魏書李典伝) 追うか、追わないか。この盤は、その一問だけでできている。 建安七年、劉表の客となっていた劉備は北へ兵を出し、葉まで達した。曹操は夏侯惇に于禁と李典を付けて拒がせる。向き合って久しく、ある朝、劉備は自分の屯に火を放って南へ退いた。盤はその朝、午前六時から始まる。北に惇の営、その南に焼け跡、そこから先は両側が丘で、茂みの中を一本の道が博望へ下っている。 道の両脇の茂みに、劉備軍の伏兵が八駒いる。隠してはいない。曹操軍からも見えている。それでも入るかどうかを、盤が問う。 【伏せる側 ── 劉備軍】20駒。一度に動かせるのは8駒。伏兵の八駒は待機部隊で、自分からは一升も動けない。敵が隣へ来るか、攻められたとき、八駒が同時に起きる。待ちぼうけにはならない。T3から、ターンの頭に確率でも起きる(T3 34%・T4 67%・T5 100%)。殿の趙雲は道の口の内側にいる。どこまで下がって、どこで起こすか。 【追う側 ── 曹操軍】22駒。一度に動かせるのは9駒。焼け跡 Burnt Camp は点にならないが、取っている間は動かせる数が3増える。追う理由はそこにあり、足を止める場所もそこにある。李典と留守の兵、あわせて八駒も待機部隊で、劉備軍の伏兵が起きた瞬間に連動して起きる。伏兵を起こさないかぎり、李典はT6まで動かない(T6 25%、以後25%ずつ)。 【点】勝敗は点差ひとつで決まる。点差=(自軍が支配する拠点の点数 − 敵軍が支配する拠点の点数)+(敵に与えた損害 − 自軍が受けた損害)。拠点は博望25・南の道15(劉備軍)、惇の営20(曹操軍)。劉備軍から見た点差が勝利線(+14点)より上で終われば劉備軍の勝ち、下なら曹操軍の勝ち。線から6点離れれば戦術的勝利、50点で作戦的勝利、100点で圧倒的勝利。6点に届かなければ引き分けである。 【駒の名】劉備軍:Liu Bei=劉備、Zhao Yun=趙雲(殿)、Guan Yu=関羽、Zhang Fei=張飛(伏兵の両翼)、Chen Dao=陳到、Mi Fang=麋芳、Yuzhou=豫州以来の兵、Jingzhou=劉表が加えた荊州の兵。曹操軍:Xiahou Dun=夏侯惇、Yu Jin=于禁、Li Dian=李典、Xiahou Lan=夏侯蘭、Yanzhou=兗州の兵、Taishan=于禁の泰山の兵、Chengshi=李典の一族と部曲が住んだ乗氏の兵、Yingchuan=潁川の兵。駒になっていない人:麋竺・孫乾・簡雍(劉備の賓客。兵を率いた記述が無い)。 【試せる判断】ひとつめ(曹操軍)。焼け跡で止まるか、谷へ入るか。入れば伏兵が起き、李典も起きる。李典が着くまでの二、三ターンを、谷の中の惇と于禁が持つかどうか。 ふたつめ(劉備軍)。殿を早く下げれば敵は深く入るが、南の道の15点が危うくなる。下げなければ、戦いは谷の口で終わり、伏兵は横からしか届かない。 みっつめ(両軍)。伏兵が起きるのは、敵が隣へ来たときか、時が満ちたときである。どちらが先かで、挟まれる場所が変わる。 【結末】惇は聴かず、于禁とともに追った。李典は営に残った。狭い道で伏兵が起ち、戦いは利あらず。李典が救いに出ると、劉備は救いの至るのを望み見て、兵を散じて退いた。趙雲はこの日、夏侯蘭を生け捕りにした。同じ郷里の幼なじみである。雲は命を請い、法に明るい男だと言って軍正に薦め、そのあと自分のそばへは近づけなかった。 劉備はそれから六年、新野と樊にいる。草廬を三たび訪ねるのは五年のち。曹操がみずから南へ来るのは六年のちである。   理由もなく退いた、と一人が言った   道は狭く、草木が深い、とも言った   聴かなかった二人が、谷へ入る   言った一人が、迎えに出る   火を付けたのは、退いた側である 『三国志演義』はこの戦いを諸葛亮の初陣の火計として描く。史書では諸葛亮が世に出る五年前で、火を放ったのは劉備自身、焼いたのは自分の屯である。伏兵を率いた将の名は史書に無い。関羽と張飛は、この時期に劉備の下にいた将として両翼に置いた(推定)。戦場の位置、月日と時刻も史書に無く、盤の地形と時計は推定である。 1ヘクス=400m、1ターン=1時間、1CS≒150名。T1=建安七年 06:00(屯が焼け落ちた朝)、T3=08:00(伏兵が確率で起きはじめる)、T6=11:00(李典が確率で動きはじめる)、T8=13:00。

地図

周辺図(概略) 博望 許(曹操の都) 葉 宛 新野(劉備の屯) 襄陽(劉表) 伏牛山 漢水 劉備、北へ侵す(葉に至る) 夏侯惇・于禁、これを拒ぐ
周辺図(概略)
戦場図(概略) 博望 惇の営(李典が留守) 劉備、自ら屯を焼く 南道狹窄、草木深 伏兵 伏兵 惇・于禁、追う 李典、救いに出る → 宛・新野 → 葉・許
戦場図(概略)